1045.スーパーカー消しゴム(2021.11.15掲載)
相変わらず少子化に歯止めがかからず、2020年の15歳未満の子供人口は1491万人。 ペットとして飼育される犬と猫の頭数が合計1800万頭だから、グリコのキャラメルよりペットフードの方が、威勢がいい。 ところで、「朝食を食べない子供は成績が悪い」というデータを時々耳にする。 文部科学省が公表した中学2年生の学力調査によると、朝食をほとんど食べない生徒(4.3%)と、必ず食べる生徒(71%)の数学の成績には約12ポイントの開きがあったという。 朝食は金である。朝、昼、夜の食事カロリー配分は4:3:3がベスト。2:2:6は要注意。0:3:7は最悪。朝食をしっかり食べて勉強に励みましょう、と文科省は言う。 しかし、我が母校、ビーバップY中学のことを思い起こすと、朝食をほとんど食べない4.3%の生徒は学校にほとんど来ない4.3%であり、この精鋭ヤンキー部隊の数学の平均点といわれても、データに有意差はない。 文科省のコメントが聞きたいところであるが、とにかく、当時の担任教師の仕事は朝食を食べさせることではなく、生徒を家まで迎えに行き、学校に引きずってくることだった。 そのY中学は1学年11クラスのマンモス校。500人もいればキャラクターの花満開。 例えば、当時ブームとなった「スーパーカー消しゴム」なる自動車フィギアを使った消しゴム落としゲーム。その輪に入らず、ひとり教室の片隅で「ぶう〜ん」とスーパーカー消しゴムを手にとって走らせ、別の遊びで楽しむ天然系14歳もいたりした。 鬼教師も天然系にはやさしかったが、昼食を食べながら「ぶう〜ん」とやるもんだから、いつまでたっても食事が終わらない。 「個食や孤食は食事にかける時間が短くなる傾向にある。早食いはよくない。団らん食で20分以上食事に時間をかけましょう」という、データに基づく厚生労働省の呼びかけもここでは無意味だった。 子供を対象とした統計はこんな感じでズレる。変数が多いY中学はもっとズレる。 少子化対策につながる統計データを探索中なのである。
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