1197.総括するということ

　いよいよ忘年会シーズン突入ということで、１年を総括しつつアルコールに溺れる日々である。 　食品メーカーにとって、１２月は平月の２倍稼ぐビッグイニング。飲み歩く余裕などないはずであるが、「１２月末は個人の締め、３月末は法人の締め」という個人的見解により、未達成の課題は３ヶ月先送りして宴席をハシゴするのである。 　たしかに、上場企業の約８割が３月末決算だが、食品メーカーの決算月は意外とバラバラである。 　例えば、ビール会社は税務当局への届出時期と一致させるため１２月末決算だし、酒造メーカーは原料米の割当量などを計画する都合から６月末決算。 　また、かつお節屋は秋の戻りガツオをかび付けまで加工して出荷を終えた１月末。茶畑は、新茶が出回る前の４月末、等々。 　四季が移ろい、自然の恵みを生業とする食品業界の決算もまた移ろう。いいじゃないか、日本的で。 　しかし、学校の決算月だけは３月から動かさない方がいいと思う。 　欧米に合わせて８月決算９月入学にすると留学や転入がスムーズだという考えもあるが、１つの学年が夏で終わってしまうのは、ただでさえ寂しい夏の終わりをよりセンチメンタルにしてしまう。 　それに、日本には運動会がある。結成間もない新クラスでは盛り上がりに欠けるだろう。 　日本人は総括下手な民族だとよく言われる。「終わりよければすべてよし」で片付けてしまい、途中経過の反省をしないというのだ。まぁ、それもいい。締めの季節さえ間違えなければそれでいい。 　個人の締めをアルコールで流しながら、総括を考える季節なのである。