1250

　新入社員研修で「気づく力を高めよう」と説き、「女性の気づく力は素晴らしく、初対面で男性の指を見てあることに気づいている」と解説する。 　初対面の相手のどこを最初に見るかというアンケート結果によると、１位は男女とも「顔」だったが、２位は、男性が女性を見る場合が「胸」で、女性が男性を見る場合が「指」だったのだ。 　女性は男性の指を見て何に気づいているのか。 　正解は、「薬指の長さで男性の身体能力の高さに気づいている」である。 　人差し指に比べて薬指の長さが長いほど、男性ホルモン「テストステロン」の分泌量が多いことが証明されている。すなわち、身体能力が優れているということ。この能力は生まれた時から不変であり、女性はこの点に気づいているというのだ。 　薬指の長さ÷人差し指の長さ＝１．０２。これが平均値らしいが、英国サッカーの代表選手の場合、平均が１．０６だったとか。 　私も計測してみた。なんと、左手が１．０８。けど右手は１．００。アンバランスな変態野郎か。いや、左手で勝負する男と呼んでほしい。 　食の世界でも、人類は気づく力を獲得している。 　例えば、酸味で腐敗に気づき、苦味で毒を回避する。極彩色のキノコは本能的に避けるし、果物のエステル臭は完熟度の判断材料となる。 　もちろん、職業上後天的に獲得した気づく力もある。 　魚体の模様が鮮明な青魚は脂の乗りが悪いとか、後味が伸びる醤油は菌数が高いとか、等級の低い昆布ほど旨味が強いとか。 　とにかく、気づく力は瞬間勝負。ボーっとしていたら食いっばぐれて、女子から見放されてしまうぞ。。 　こんなことを考えながら、薬指を引っぱる今日この頃なのである。