1027.縄文人と渡来人(2021.7.5掲載)
縄文人の生活レベルが実は意外と高かったんじゃないかと言われている。おしゃれな土器で煮炊きをしたり、硬いヒスイに穴をあけたり。 そして、ドングリのデンプンをエネルギー源とした食生活も、かなり充実していたらしい。主食がドングリで、おかずに猪、鹿、鴨、イルカ、鯛、あさり、海藻と、けっこうバランスのいい食事を取っていたことがウンチの化石から判明した。 1日の総摂取エネルギーは2250キロカロリーで、現代人の2000キロカロリーよりちょっとリッチ。そして、そのバランスはタンパク質:脂質:炭水化物=12:26:62。 このバランス、驚くべきことに厚生労働省が推奨する食事バランス15:25:60とほぼ同じなのだ。 60%の炭水化物がドングリか白めしかの違いだけというおそるべし縄文人。 ただ、主食にするほどのドングリだから、秋の遠足ではしゃいだドングリ拾いとはわけが違う。 1人が食べるドングリの量は年間約300kg。これを9月〜11月の3ヶ月間で拾うから、1日3kgのドングリ拾い。これはけっこうきつい。 だから、当時の人口26万人のうち25万人が、ドングリがよく落ちる「落葉広葉樹林帯(ナラ、クヌギ等)」の東日本に集中していた。西日本の「照葉樹林帯(カシ、シイ等)」では落ち方が少ないのだ。 そんなドングリ時代の後、弥生時代に大陸から渡来人がやってきて混血し「日本人」となる。 ちなみに、現代人の遺伝子解析の結果、わが地元四国は渡来人の痕跡が濃いことがわかった。最も渡来人要素が濃いのは滋賀県。近江の都は渡来人が作ったんだな。 そして、縄文人は、沖縄、鹿児島、宮崎と東北地方。 酒が強くて顔が濃い縄文人にはちょっと憧れるが、ドングリめしだけは勘弁してもらいたいと願うのである。
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