1026.しょっぱいぜんざい(2021.6.28掲載)
2006年4月にフジテレビで放映された「ちびまる子ちゃん」実写版。 時々見て号泣するために永久保存版にしている。 泣き所は、まる子が遠足のお弁当を諸事情の果てに一人さみしく食べるシーン。まる子役「森迫永依」の天才演技が、私の記憶の涙腺を壊してくれるのだ。 「みんなと楽しく食べると思って一生懸命にぎってくれたのに、一人ぼっちで食べてるなんて知ったらお母さん悲しい顔しちゃう。お母さん、おいしいよ。でも、しょっぱいね」 遠足のおにぎりは保存性を考慮した多めの塩ふりで、塩分0.6%。涙の塩分は1%だから、やっぱりしょっぱいね。 ちなみに、お吸い物の塩分は0.8〜0.9%、うどんは讃岐風が1.2〜1.3%で関東風が1.4〜1.5%と、一般的な和風料理の塩分は0.5〜1.5%の範囲に収まる。 そんな和食の世界において、3%と意外に塩分が高いのが煮干しである。 煮干しの原料となるマイワシやカタクチイワシは身がもろく、水揚げされた前浜ですぐに煮る必要があり、もともとは海水で煮ていた。塩茹でだと身の締まりもいい。 しかし、最近は衛生面を考慮し、ほとんどの加工場が海水と同じ3%の食塩水でイワシを煮ている。海水ならいいが、食塩水でイワシを煮た場合は煮干し商品の原材料表示に「食塩」表記が必要だ。 法律とはいえ、原材料表示もなんだかしょっぱいね。 対して、和食の塩加減で最も奥ゆかしいのが、ぜんざいの隠し味。0.3〜0.5%の塩分を配することで、甘味が引き立つ。 3歳の頃、母の買い物にくっついて行った三越松山店の1階でなぜかハチに刺され、その時泣かなかったご褒美にと、甘味処「みよしの」でぜんざいを食べさせてくれた。 甘いぜんざいを食べると、ハチに刺された所が急に痛くなった。 おいしいぜんざいが、少ししょっぱくなった。
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