1037.アル中にヒトヨタケ(2021.9.20掲載)
水産総合研究センターが、海水にブドウ糖を投与すればアサリの成長が3割促進されることを証明している。 また、出荷前のアサリをブドウ糖添加海水に24時間漬けると、旨味成分であるコハク酸の含量が2.8倍に増加する。 海水サプリメントと称するこの取り組み、水質を悪化させずにアサリに栄養源を吸収してもらう画期的手法で、事業化に成功すれば漁獲量向上とおいしいアサリの誕生につながる。そして、なにかとシジミの後塵を拝するアサリの現状を打破できるのだ。 昔日の潮干狩りに思いを馳せるセンチメンタルな側面がアサリにはあるが、健康面では明らかにシジミが優位である。 床に伏せる母ちゃんのために幼い息子がシジミを捕ってくるのは時代劇の定番だし、永谷園の「1杯でしじみ70個分のちから」のヒットで、シジミに含まれるオルニチンの肝機能保持効果が注目された。飲む前にウコン、飲んだ後にはシジミ汁。 小生、アサリもシジミも大好きだが、肝機能的には「ユンケル黄帝液ロイヤル」をおすすめしたい。 その効果は凄く、酒豪の知人に勧めたところ「ユンケルのせいで全く酔えなかった。酒代がかかってしょうがない」との小言を浴びたくらい。 ならば、酒豪が少量でべろべろになってしまう食材は何か。 それは、ヒトヨタケ。中毒症状に分類されてしまうほど強烈なため実行は厳禁だが、飲む前に食べても、飲んだ後に食べてもひっくり返るらしい。 活性成分は、「コプリン」と呼ばれる化合物。そして、この作用を医薬品として応用したのが「ジスルフィラム」で、慢性アルコール中毒の抗酒療法に使用されている。服用後14日間は効果が持続し、少量の酒でも酩酊するため断酒効果が得られるのだ。 まあ、下戸には縁のない話だが、毒キノコがアルコール依存症の治療に使われるとは、まさに「毒は薬」の一典型だと思った次第である。
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