1038.ドクタージョハンセン(2021.9.27掲載)
塩味、コンソメ味、のり塩味。 市販されているポテトチップスのフレーバーベスト3である。 バーベキュー味、お好み焼き味、キムチ味など、もっとバラエティーに富んだ分布かと思っていたが、これらのメニュー別フレーバーは短命で、せいぜい3ヶ月前後で改廃。結局は無難な塩味系に収束するらしい。 この情報をくれたのはポテチメーカーに勤務する友人だが、「毎日ジャガイモの研究ばかりしている」とぼやいていた。高収率でポテチ歩留りの高い品種を追い求める日々だそうだ。 ところで、ポテチ用のジャガイモ品種で最もメジャーなのは、1976年に開発された「トヨシロ」。現行スタイルのポテチが登場したのが1975年だから、同じ歴史を歩んできたことになる。 以後、テストした主な品種名は、「ヤンキーチッパー」「アトランチック」「シェポディー」「ドクタージョハンセン」…。 なんだか楽しそう。どうせなら全部塩味にして、ジャガイモの品種で差別化してはどうか。「ポテトチップスドクタージョハンセン仕様」なんてオシャレではないか。 不覚にもジャガイモ研究に明け暮れることになった友人に、入社動機をたずねてみた。 「小学校時代、仮面ライダースナックを食べまくっていた。スナック菓子の開発をしてみたかった」 もちろん、当時のお目当てはオマケの仮面ライダーカード。 今ではプレミアが付く1番カード「怪奇くも男」を手に、少年は仮面ライダースナックを食べまくった。ポテチ登場4年前のことである。 新品種で新商品。ネタ切れのポテチ業界における画期的手法ではないかと思うのである。
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