1134.ネオテニー(2023.8.28掲載)
名を成した最近のトップアスリートは、母親が幼時からべったりフォローしてきた選手ばかりだという話を聞いたことがある。 母親に褒められたい一心で競技に集中するから天井知らず。世界の舞台に出てもビビることがない。 同時に、少年の心を持ち続けている大人ともいえる。だから輝いている。 大谷翔平選手や羽生結弦選手のような、キラキラ輝く「少年の心系アスリート」は神に選ばれし特別な存在だが、我々にも少年の心で仕事に臨める瞬間がどこかにあるはず。 そういう時は仕事の効率も良く、きっと輝いていると思う。 ところで、この少年の心を医学用語でネオテニーというそうで、成人してからもネオテニー行動が多い動物ほど寿命が長いことが証明されている。 その最たる例が人間であり、また、子供っぽい人間ほど長生きするというのだ。いつまでも輝いているから長生きするのかな。 そして、もう1つ面白いデータがある。 某研究機関が職業別の平均寿命を調査したところ、ダントツで寿命が長い職業が画家と生物学者だった。大人になってからもお絵かきに熱中し、虫や動物を追いかけては滑って転ぶ。いわば超ネオテニー人間ともいえる画家と生物学者が寿命を延ばすというのだ。 我々は画家でも生物学者でもなく、ましてや大谷選手でもないが、幼少の頃、夕方暗くなるまで遊んだ経験なら誰にでもあるはず。 あの頃の少年の心を持ち続け、ワクワクしながら商品開発に熱中し、キラキラといつまでも輝き続けていれば、きっとヒット商品が生まれると思う。 そして、次の世代には画家と生物学者に次ぐ長寿職として、「新商品開発者」の名を刻みたいと願うのである。
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