1162.ウルトラ警備隊(2024.3.18掲載)
ある雑誌で、ウルトラセブンの監督として有名な満田かずほ氏が、ウルトラ警備隊の未来技術について語っていた。 警備隊の秘密基地から飛び立つ「ウルトラホーク1号」。スーパーカーブームの先駆けともいえる「ポインター」。そして、腕時計型のテレビ電話「ビデオシーバー」。 特にビデオシーバーは秀逸で、1960年代後半に現在のウェアラブルコンピュータを予言していたのだからすごい。ただ本人は、「作戦室にあった電話はダイヤル式だった」と悔しがっていた。 未来技術の予測は難しい。というか、予測できるような技術では、世界を変えることはできない。 そこで、常識を覆す未来技術のタネを紹介する。 例えば、二酸化炭素を地下に注入して石に変える技術。 ワシントン州で約1000トンの二酸化炭素が地下800メートル以上の深さにある玄武岩層に注入された。玄武岩に含まれるマグネシウムやカルシウム、鉄などが二酸化炭素と徐々に反応して炭酸塩結晶となり、永遠の眠りつくらしい。この鉱物化が数年から数十年で完了するという仮説を検証すべく、実験が進行中である。 次に、レゴブロックのような部品をはめ合わせて頑丈な構造物を安価に造る技術。 まさに、おもちゃのブロックを組み立てる要領で橋や航空機を完成させるという奇天烈な発想だが、マサチューセッツ工科大学が実用化に向けて実験を開始している。ブロックだからリベットを使わずに組み立てができ、老朽化した際には安価に分解でき、リサイクルも可能。組み立てブロックの飛行機に乗るのはちょっと怖いが、MITが考えることだから間違いはないと思う。 最後に、ミミズやタコをヒントにした柔軟なロボットを作る技術。 ロボットといえば、どうしても二足歩行型に注目が集まりがちだが、災害現場や過酷な環境ではニョロニョロ軟体動物系の方が活躍するに違いない。こちらはハーバード大学の頭脳が挑戦中。 これら最先端の技術、ウルトラ警備隊が装備していたとしてもさほど違和感はない。ヒントはウルトラセブンにあったか。 未来の技術革新のための再放送を、切に願う次第である。
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