1173.バブルとのかかわり(2024.6.3掲載)
昨今の消費の主役は女性であり、女性心理を読むマーケティング戦略がもてはやされている。 ここで、購買心理に影響を与えるのがバブル景気との関わり方である。 60歳女性(当時25歳)…バブルカールズ。 バブルを謳歌したバブルガールズは超がつくほどポジティブで自信に満ち溢れ、生き方や消費も非常に強気で積極的。まさに現代の消費を牽引する「いつまでもお祭りさん」。攻め方のツボは、「オンナであることを褒めよ!お立ち台を用意せよ!キラキラ感を演出せよ!」。 50歳女性(当時15歳)…アフターバブルカールズ。 中高生の時にバブルが崩壊。団塊ジュニアを多く含み、受験も就職も少ない枠を競う過酷な競争を経験。バブルガールズに比べて高望みしない「平穏を求める堅実さん」。攻め方のツボは、「消費ではなく、自己投資に見せよ!存在価値を肯定せよ!小さくて確かな幸せを具体的に示せ!」。 40歳女性(当時キッズ)…ノーバブルカールズ。 ゆとり教育と個性教育のせいか、私らしさを過剰に大事にする「自分サイズのオンリーワンさん」。何がいいかは自分で決めるから、提案を押しつけられても困るのだとか。攻め方のツボは、「ネタとノリで攻めろ!常識にとらわれるな!提案するな!」。 この、マーケティング戦略を具現化したような2つの曲を、テレビ特番「作詞家松本隆特集」で耳にした。 それは、松田聖子(62歳)が歌う「赤いスイートピー」と、綾瀬はるか(39歳)がカバーした「赤いスイートピー」。 本家松田聖子のゴージャスな歌いっぷりはまさに「いつまでもお祭りさん」で、綾瀬はるかの素朴な声は「自分サイズのオンリーワンさん」だった。 綾瀬はるか版があまりに上出来で、感動した作詞の松本隆先生が「マーガレット」という新曲を彼女のために書き下ろした。作曲で再度コンビを組んだユーミンが、「赤いスイートピーの2010年版だ」と語っていた。 時代と世代を越える2つの女性心理。作り手も歌い手もすごいと思ったのである。
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