1174.理科研究の納豆(2024.6.10掲載)
小学校6年生の甥っ子から夏休みの理科研究の相談を受けた。中学受験があるから早々に片づけたいとのこと。 そこで私が考えたテーマは「納豆対決!糸引きvs塩辛」。 700年頃に中国から伝来したとされる塩辛納豆と、室町時代に日本で生まれた糸引き納豆をコタツで自作し、糸引き納豆が今日の主流になった理由を検証しつつ、水戸納豆で有名な水戸藩で黄門様はどちらの納豆を食べていたかを推理する壮大な歴史的科学的大河研究である。 まず、スタンダードな糸引き納豆。 一晩水に漬けた大豆を5時間茹でたあと水切りし、あつあつの状態で市販の納豆を混ぜる。東急ハンズで販売している納豆菌を使用すると確実だが、理科研究的には「自作した納豆の味は、種として混ぜた市販品と異なるか」という命題の方がウケる。 発酵はコタツで20時間。大豆の表面に白い膜が確認できたら冷蔵庫で24時間熟成して完成である。 対して、塩辛納豆はかなりややこしい。 前述の煮豆を冷やした後、市販の米麹を混ぜてコタツで1週間。大豆に白いかびが生えたら塩水に漬けて2日間。さらに混ぜながら2ヶ月天日乾燥(これは無理なので1週間に短縮)。納豆というより味噌に近い香りである。 悠久の時間を持てあました奈良の都ならともかく、デイリー商品である納豆にここまで手間はかけられない。塩辛納豆が衰退したのは納得である。 そして、水戸黄門様の納豆。 図書館で文献を調べたがよくわからなかったので、「日本で最初にラーメンを食べたとされるグルメな黄門様だけに、糸引きと塩辛両方食べたに違いない」と適当にシナリオを締めくくった。 でき上った納豆の試食には勇気がいるが、小学生の実験としてはまずまずの深掘りではないか。 ちなみに、コタツがかなり納豆臭くなるので要注意です。
\\\\
|
column menu
|