1176.ウンチ利用率100%(2024.6.24掲載)
日本の食糧自給率38%が先進国中最低であることは周知の事実。 これを受け、ある新聞記者が「完全自給食体験」にチャレンジしたことがあった。 国民1人当たりに供給されている1日のエネルギー2548キロ・カロリーのうち、国産食材で供給できるエネルギーは996キロ・カロリーのみ。この996キロ・カロリーの純国産メニューで、4日間を過ごすという挑戦である。 米、イモ、魚中心の献立だったが、「しょうゆはほぼ100%輸入大豆で作られており、今回は使えない」という嘆きが印象的だった。醤油が使えないのは哀しいな。 ここで話をコペルニクス的に飛ばし、ウンチネタへ。 動物のウンチをさまざまな方面に利用する革新的技術。食料自給率向上より、ウンチのハイテク利用の方が日本人の知恵を生かせるかもしれない。 例えば、牛のウンチから発生するメタンガスを分子サイズの穴を持つゼオライト触媒に通すことで、ベンゼンと水素を生成させる技術。原油価格高騰で以前の5倍に上昇したベンゼンが、高騰前の35円/kgで1100万トンも生産できるというのだ(水素は15円/立方メートルで1290億立方メートル生産可能)。 他に、笹を食べまくるパンダの消化酵素に期待して、パンダのウンチを生ゴミ処理に利用する技術。年間2000万トンといわれる国内の食品廃棄物をパンダが救うのだ。 奇抜なアイディアとしては、ライオンのウンチでニホンジカの列車衝突を防ぐ技術がおもしろい。ライオンのウンチにはニホンジカの忌避物質が含まれていて、ウンチ抽出物をJRの線路に散布することでニホンジカが寄りつかないというのだ。 資源のない国が活路を見出す革新技術。いままで、食品加工という入口ばかりに目を向けてきたが、ウンチの利用という出口戦略も捨てがたい。 ウンチ利用率100%を目指せばいいのである。
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