1193.反抗にあこがれぬ
以前、読売新聞の「『反抗』にあこがれぬ若者」という特集記事を読んで。深く納得したことがあった。 ハンカチ王子などの「王子」がブームになった時、イケメンの優等生を同世代の男子が応援することが不思議だった。 女性や親たちが褒めたたえるのは分かるが、反抗期の男子たちの口から、「あの活躍はすごい」「同世代の誇り」「彼らの活躍が励みになる」と賞賛のコメントが出ることには違和感をおぼえた。 読売新聞村田記者の「かつて若者、特に男子は、既存の価値観を壊す同世代人を支持したのではなかったか」とのコメントに、迷わず合点した。 思えば高校の文化祭、ライブで人だかりができたのは「生徒手帳なんか破っちまえ」と青い絶叫で拳を上げるロッカーであって、おしゃれで歌のうまいデュオではなかった。 父親世代は「太陽族」や「カミナリ族」、兄貴世代は「全共闘」、そして自身は「竹の子族」や「尾崎豊」。反抗や反体制が生の証だった世代と、現代の若者との違いは一体何なのか。 精神科医の香山リカ氏は、「教師や父親が優しくなり、彼らには脅威ではなくなった」「大人は自分のために何か協力してくれる存在。ならば、それを利用しない手はない。尾崎みたいに生きるのは損だと考える」と解説する。 ならば軟弱ついでに、キレない若者を育成したい。キレないためにはカルシウム摂取より、だしの効いた「おふくろの味」である。 かつおだしには、ほっこり穏やかになる成分が含まれており。キレずに母親に感謝する。 反抗にあこがれず、物わかりのいい社会の中心に、どれほどのパワーが潜んでいるのかわからないが、素直に野球が好きな選手が大活躍する昨今、必ずしもハングリーである必要はないのかもしれない。
\\\\
b
column menu
b