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今年も無事節分が終わり、年の数だけイソフラボンを摂取した。 まるかぶり寿司で「西南西に進路を取れ!」。 節分で思い出すのは、以前、いとこの家にホームステイしていたアメリカ人大学生のこと。 たまたま節分の日にいとこを訪ねた私は異国人と一緒に豆を投げ、異文化を伝えた。英文科卒のいとこは苦労して「節分」を訳した。「The traditional end of winter」。確かに節分は立春の前日で旧暦の大晦日なのだから、この訳は適切かもしれない。 「Get out demon」なんて言わなくてよかった。 鬼退治が終わった後、そのアメリカ人に年の数だけ豆を食べることを勧めたのだが、「それはメキシカンの食べ物ね」と言って食べようとしなかった。なんだか根の深そうな問題だったので話題を変え、他に食べたくない日本食があるか聞いてみた。 「タコ焼きは食べたくない。タコはデビルフィッシュね。タコなしならいいけど」…タコがないとねぇ。 「海藻は食べたくない。海の中の毒を一身に引き受けているから」…それがミネラルたっぷりの理由ですけど。 「食パンは食べたくない。不自然に白すぎて栄養がない感じ」…確かにアメリカには白い食パンが少ない。 アメリカで完全に定着した日本食は醤油、カニかま、カップラーメンの3つだけで、あとは健康のためにやや無理して食べていると聞いたことがある。なるほど食文化の壁は厚い。 ついでに、「巻き寿司のまるかぶりは行儀悪いか」とたずねてみた。「回転寿司で食べ終わったお皿を重ねることの方が行儀悪い」という答えが返ってきた。 異文化を学んだ節分の夜であった。
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