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承認欲求についての4部作。最後にちょっとだけ自己実現に触れてみました。 2016年 糖尿病内科 国立大学の医学部を卒業し、研修医を終えた身内のドクターが選んだ医局は「糖尿病内科」だった。 理由は、完治しづらい糖尿病は「治ったのは先生のおかげです」という承認欲求が得られにくく、専攻する医師が少ないから。つまりは大所帯にありがちな、人間関係の気遣いを回避できる。 やはり、メスさばき鮮やかにオペを成功させ、患者とその家族から激しく承認されることがモチベーションなのか。 2025年 出前授業 大学で講義をした際、「自己実現って何ですか?夢と何が違うのですか?」という質問を浴びることがある。 長らく答えに難儀していたが、回答の一助となる体験をした。 話の起点は読売新聞の「こどもの詩」コーナー。投稿の常連小学校の児童の作品があまりに素晴らしく、学校長宛にファンレターを書いた。 すぐに返事が来て校長先生と文通が始まり、詩集を送ってくれた。御礼にこだわりのかつお節を送ると、それを食べた児童が「まほうのかつおぶし」という詩を投稿して新聞に掲載された。 その反響は大きく、「そのかつお節、どこで売っているのか」という問い合わせも来た。 こうなると、その児童に直接感謝を伝えたくなり、茨城の山間部にある小学校を訪問して食育出前授業を敢行。児童と一緒に食べた給食はまさにプライスレス。この時の様子が「こどもの詩がつないだ出前授業」ということで、新聞記事になった。 これって、自己実現かもしれない。夢がかなったというより、新聞がきっかけで文通が始まり、出前授業して感謝の承認もある。自分の意思とスキルで起こしたアクションが、周囲とメディアを巻き込む「ちょっといい話」になったストーリー。 自己実現と自己満足の間で揺れる承認欲求、という感じかと思ったのである。
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