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承認を歴史的に掘り下げたくなったきっかけは、東大山内昌之名誉教授のコメントである。 「歴史を知ることで常識を知るという作業が行われないから、支離滅裂な若者が出てくる」 1997年 中田英寿選手 20歳で代表デビューしたサッカーの中田英寿選手。その印象は強烈だった。物怖じすることなく、ピッチ上で先輩大物選手に指示を出していた。 これは、古典的体育会系社会である日本の部活動感覚では違和感のある行為であるが、先輩後輩のしがらみが勝負の世界では何の意味も持たないことを初めて証明したのが、中田選手だったのかもしれない。 自分の考えとプレーに自信があるから指示を出す。そして、結果を出す。つまり、中田選手は勝利を導く意志決定をしたのである。意志決定をしたから若くして主役になったのである。 他者からの「承認」を待つまでもなく結果を出す。つまり「自己実現」。とにかく、組織では意志決定をする人が主役になる。 中田選手の登場で、和を重んじる日本社会に変化の兆しが現れ始めた。 2008年~09年 派遣社員 そもそも、企業が派遣社員を雇用する最大の目的は、固定費の変動費化である。売上の変動に対応した人員調整が可能なればこその派遣社員なのだ。 だから、利益の追求という企業の存在意義を考えると、派遣社員問題は、「外国人労働者」「アウトソーシング」等と同類のキーワードであり、固定費の削減という大命題に沿った当然の営みなのだと思う。 派遣社員という立場に至った経緯は各自さまざまだと思うが、新卒時、気ままなフリーターを選択した結果として現在の不遇に甘んじている人たちがいるとすれば、聞いてみたいことがある。新卒時の選択は「生理的」レベルだったのか?「承認」や「自己実現」への野心はあったのか?はたまた「とりあえず」だったのか? 自己責任という常套句を使うつもりは毛頭ないが、フリーターやニート、果ては8050問題などという言葉が社会的に認知されている状況だけに、派遣社員問題との関連を想起せざるを得ないのである。
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