213.ドラえもんとアシモに学ぶ(2005.4.4掲載)
輸入してまで食べ残す飽食のニッポン。気まぐれな消費者を満足させる商品づくりは容易ではなく、ヒット商品のネタはないものかと悪戦苦闘の日々。そこで、困った時のドラえもんである。 ドラえもんは、いろいろな道具を出すが、結局は「自分の思い通りにしたい」というのび太のわがままを叶えているだけ。ただ、「何でも願いが叶う道具」を出してしまったのではストーリーが成り立たないため、あの手この手の道具が登場することになる。 食品の開発においても同じことが言える。消費者が望んでいるのは、「おいしいモノを安く食べたい」というたった一つのことであり、この究極のわがままを満たす商品をいろいろな角度から考え、付加価値をつけて具現化することが食品メーカーの使命なのだ。 そこで、ドラえもん的新商品を考えてみる。まずは「セレブふりかけ」。単身者が一人わびしく作ったやもめ料理が、このふりかけをかけるだけで「分とく山創作懐石」に変身する。続いて「完熟天秤」。果物をこの天秤に乗せると、完熟していておいしいものほど激しく針が振れる。もうひとつ「添加ライト無添加ライト」。添加ライトを自然食品に当てると添加物が含有され、日持ちが良くなる。また、添加物たっぷり食品に無添加ライトを当てると添加物が除去される。 こんな感じで勝手な発想は尽きることがない。お気楽かもしれないが、この不況下とにかく前向きに進むしかないのである。 以前、ある番組で本田技研工業の二足歩行ロボット「アシモ」の開発秘話が紹介されていた。アシモが何かにつまずいて前かがみに倒れそうになった時、倒れまいと反対方向に足を突っ張るとバランスを崩してひっくりかえってしまう。しかし、逆に前かがみになった方向にそのまま体重を移動して足を踏み出すと、問題なく歩き続けることができ、歩行プログラムが完成した。逆転の発想ではあるが、考えてみれば行こうとする方向に体をあずけることが一番自然なことだったのだ。 ドラえもん的お気楽発想をアシモ式プラス思考で発展させ、画期的新商品につなげたいと思うのである。
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