220.黄色と青(2005.5.23掲載)
先月、おのぼりついでに東京国立近代美術館で開催中のゴッホ展を見てきた。絵はさっぱりわからないが、「芸術家としての自画像」「黄色い家」「種まく人」「糸杉と星の見える道」など、教科書の定番を生で見るとさすがに興奮する。 特にしびれたのが「夜のカフェテラス」。黄色く輝くカフェと青く塗り込んだ星空とのコントラストが鮮烈で、見ているだけでパワーを感じた。「黄色の魔術師」ゴッホの真骨頂である。色彩学の専門家がこの絵の画像解析を行ったところ、全体の絵の中で黄色と青の占める割合がどちらも35%。見事な補色バランスだ。 聞くところによると、黄色と青の組合せは「やる気の出る色」らしい。黄色と黒は勇気のしるし、セパ交流戦のタイガース。黄色と青はオリックス、がんばろう神戸の原動力。やはり色彩効果ありか。 そこで、黄色と青で「やる気の出る食品」を作りたいと思ったのだが、青い食品素材というものがほとんどない。作っても青はヒットしない(本稿211号参照)。それでも負けずに頑張った人がいた。 埼玉のある短大生が、「オムレツを載せるお皿は何色がいいか」という卒業研究をしていたのだ。黄色いオムレツを青、緑、ピンク、黄色のお皿に盛り、同色のトレーに載せて評価する。結果は、緑が自然な感じでいいという無難な線だったが、チャレンジしたこと自体を評価したい。 玉子、数の子、たくあんなどの黄色い食品を青い皿に載せて回転寿司で流す。「やる気の出る回転寿司」なんてどうかな、と思った。
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