260.肉食のススメ(2006.3.13掲載)
健康診断のたびに我が血中コレステロール濃度は上昇を続け、先日190mg/dlの自己ベストを更新。いよいよ200の大台である。が、全く心配はしていない。50歳以上になると、コレステロールが200程度あったほうが長生きするというデータが広く浸透しており、我が肉体も中年を迎える準備が整ったということである。 他に、痩せているより小太りの方が長生きするという説も定着してきて、最近のドクターは、総じて肉食をすすめる。 魚食文化の日本において、これまで肉食は不健康な欧米食の代名詞として忌避されてきたが、よくよく考えてみると、6世紀に仏教が伝わってくるまではずっと肉を食ってきたではないか。 縄文人は、猪、鹿、兎、雁、鶴、鴨、鶏、なんでも食べた(牛は弥生時代以降に渡来人が伝えたらしい)。日本食はヘルシーというが、それは、肉食もバランスよく取り入れての話だと思う。 それに、肉を食べると幸せになる。肉の赤身に多く含まれるトリプトファンとビタミンB6は、体内で幸福物質セロトニンに変わり、脂身にあるリノール酸は、これまた幸福感を味わえるアナンダマイトという化合物に変化するのだ。肉食万歳ナンマイダーってな響きである。 そんな幸福感が病みつきになり、月に一度の焼肉屋通いがやめられない。川崎市渡田交差点近くの「龍苑」、松山市3番町の「二番亭」なんかでカルビを口にした瞬間の幸福感は、涙ものである。知り合いの韓国人も、キムチが有料なのは納得いかないとぼやきつつ、あまりのおいしさに泣いていた。 さあ、みんなで肉を食おう。文明開化で肉食をすすめてくれた福沢諭吉先生に感謝しつつ、幸せになろう。 そして、コレステロールと引き換えに、我が懐から笑顔で諭吉先生を送り出そうではないか。
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