261.体育会系飲料(2006.3.20掲載)
ペットボトルで売られているアミノ酸系やペプチド系の機能性飲料が、すっかり沈んでしまった。 もともとは、2000年にサントリーが「DAKARA」を展開したことがきっかけで急拡大した機能性飲料市場であるが、「アミノサプリ」や「燃焼系アミノ式」がヒットした2003年をピークに、減少市場に転じてしまった。 1年間に発売される清涼飲料水は約800種類。そのうちコンビニに並ぶのが約250種類で、半年後に残っているのが10種類前後という激戦市場。多少の機能性では生き残れないということか。 そこで原点に戻り、コンセプトを練り直した。当初、機能性飲料が目標にしたのは年間五千万ケースを販売する「アクエリアス」と「ポカリスエット」。「DAKARA」は、スポーツドリンクと呼ばれるこの2強にチャレンジしたのだが、サントリーはもう一度、真正面から正攻法でぶつかる道を選んだ。スポーツドリンクの世界王者「ゲータレード」の販売権を、米ペプシコ社から取得したのだ。 ゲータレードの販売権は、1980年〜2000年まで雪印乳業が持っていて、スポーツ用品店を中心に粉末状の商品を販売していた。 高2の夏、それまでやかんの口から麦茶をがぶ飲みしていたサッカー小僧が、専用のボトルに入ったゲータレードをおしゃれにあおった。酸味の利いたさわやかな甘さ。「初恋の味」カルピスに負けない青春の味、レモンスライスの味。あぁ、時代は変わる、と思った。 サントリーのコンセプトがわかりやすくていい。 「ターゲットは中学、高校の部活動。全国約30万の運動部を対象に、教師やコーチへのサンプリングを実施。体育会系は先輩が飲めば後輩も飲む」 京都福寿園の「伊右衛門」に見られる上品なストーリーもいいが、「先輩が飲めば後輩も飲む」というコンセプトもストレートでいい。 コンビニで、体育会系心をくすぐられる今日この頃である。
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