350.2007年大団円(2007.12.25掲載)
今年一年の総括として、日経流通新聞社発表の2007年ヒット商品番付を見た。 東の横綱が9月末時点で367万台を販売した「任天堂Wii」で、西の横綱が10月末時点の全発行枚数6913万枚の「電子マネー(PASMO、Suica、nanaco等)」。大関は東が「顔認識技術」で西が「ハイビジョンビデオカメラ」と、デジタル系商品が圧倒的強さで上位を占めた。 加工食品は今年も大物がなく、東西の前頭7枚目にかろうじて「トマトのお酒」と「カロリーゼロ・コーラ」が登場している。まあ、「食品の偽装表示」という項目がなかっただけましなのかもしれないが…。 この、前頭7枚目どうしの飲料対決は、各々トップメーカーのライバル対決でもある。 まず、トマトのお酒。サントリーがトマト果汁58%、アルコール度数12%の「TomaToma」を発売し、すぐにアサヒビールがトマト果汁45%+レモン果汁5%、アルコール度数5%の「トマーテ」をカゴメと共同開発。現時点では、アサヒ−カゴメチームが優勢である。 一方、カロリーゼロ・コーラではサントリーの「ペプシネックス」が、コカ・コーラの「コカコーラゼロ」を抑えてシェア上位。やはり米国主導ではなく、サントリーのオリジナル開発という点がよかったのかもしれない。 ふたたび番付に目をやると、西前頭12枚目に「塩系スイーツ」が入幕していた。火付け役は、伊勢丹新宿店に海外初出店となったアンリ・ルルー氏の塩入りバターキャラメル。世界で唯一のキャラメル職人ルルー氏が、フランスはブルターニュの港町キブロンから初めてレシピを持ち出したという謳い文句は確かに魅力的である。 けど、和菓子の世界で塩系スイーツは当たり前であり、今さらという感もある。お汁粉や饅頭に塩を入れて甘さを引き立てる手法は日本人なら誰でも知っているし、和菓子ではないが、私の父は酸っぱすぎて食べられない庭の夏みかんに塩をふりかけ、「甘くなった」と爆食していた。 塩系スイーツも塩系フルーツも発祥は日本である。どうせなら、もっと番付を上げてもらいたい。 西前頭11枚目の「おしりかじり虫」より上位の番付を願いつつ、2007年大団円とさせていただきます。
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