419.長寿ドライブ(2009.5.11掲載)
高速料金一律1000円も、定額給付金12000円支給も、とりあえず意識から外して仕事に埋没した黄金週間だったが、渋滞にはまらなかったことと東京大学西成教授の「渋滞学」を読破できたことは大きな収穫だった。 西成教授が提唱する渋滞解消法は画期的で、「車間距離を40m以上取れば渋滞がなくなる」という理論。車間距離という「貯金」を渋滞の中に持ち込むことによって渋滞が弱まる逆転のイメージなのだ。 車間距離が狭いと前の車がブレーキを踏んだ場合により強くブレーキを踏んでしまい、さらにそれが後続車に伝わり「ブレーキの連鎖」として渋滞につながる。40m以上空けていれば、前車がブレーキを踏んでも弱いブレーキで済み、連鎖はない。車間距離を空けていると後続車に追い越される場合があるが、気にせず先に行ってもらうことがポイント。先に行った車もその先で渋滞にはまり、到着時間は変わらないのだ。 ドライバーの10人に1人がこの知識を持って運転すれば、渋滞はなくなるというのが西成教授のシミュレーション。ETCの設備投資より低コストで人間的な渋滞対策ではないか。 ゆっくり車間を空けると渋滞が消える。 ゆっくり心臓を動かすと寿命が延びる。 なんだか似ている。 東邦ガス診療所所長の林先生は、「人間の一生の総心拍数は24億拍で同じ」と割り出した。つまり「寿命=24億拍÷1分あたりの心拍数」。心拍数70回の人は寿命65年、60回の人は寿命76年となる(1年を52万5600分として計算)。 フランスの研究でも東北大の研究でも、「心拍数が多いと短命」というデータが得られている。 太く短くならぬ早く短く状態は、やばい。焦ったり急いだり怒ったり、無駄にテンションを上げたり興奮したりしていると、長生きできないのだ。 渋滞に焦ることなく、40mの車間を守ってのんびりドライブ。 安全運転はもちろん、心拍数も考慮した長寿ドライブへGO! ※心拍数情報は、読売新聞2009年3月13日号です。
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