466.前頭前野(2010.4.19掲載)
先日、ある民放のバラエティ番組で女性の心理学者が、「ヤンキー男の荒っぽ い命令口調に女性が従ってしまう理由」について解説していた。 人間は悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなる。つまり、行動が先に あって、その後、感情につながる。だから、無理やりなヤンキーの命令に従って いるうちに、「好き」という感情がわき上がってくるのだという。 なるほど「荒くれヤンキーに淑女がついていくの図」の謎が、やっと解けた。 ついていくから好きになるのだ。 この心理学は食品にも当てはまるぞ。好きなものを食べるのは当然として、新 商品の場合は、とりあえず食べてみて好きになるのだ。だから、マネキンさんが 活躍する試食販売は、心理学的に正しい。 このような感情や行動を制御するのが大脳の前頭前野という部位であるが、こ の前頭前野、30〜40代になると老化が始まり制御力が落ちてくる。歳を取る と涙もろくなるのがそのいい例だ。涙もろいくらいならまだ許せるが、前頭前野 の老化は物忘れや記憶違い、果ては認知症につながる悲しい現象なのだ。職場の 結婚式で涙腺が切れ始めたら要注意。 そこで、脳トレーニングで名を馳せた東北大の川島隆太先生の講演を拝聴し、 前頭前野の若返り手法を学んだ。前頭前野を鍛える3原則を紹介する。 1.読み書き計算を行う(毎日5分実施が効果的)。 2.会話、旅行、趣味などでコミュニケーションを図る。 3.手指を使って何かを作る(料理、楽器演奏、絵を描く、字を書く等)。 なるほど。本を読んだり、字を書いたり、計算したりすればいいんだ。手を動 かしながら頭を使うのがいいらしい。 しっかりと前頭前野を鍛えて若さを維持しないと、制御の効かない年齢を狙っ て試食させるマネキンさんの術中にはまってしまうぞ。 まあ、食品業界的にはそれもありかな。 まずは食べてもらう新商品をひねり出す今日この頃である。 ================================================================ 川島先生は、ニンテンドーDSの監修で有名です。
|
column menu
|