474.顔の記憶(2010.6.14掲載)
人の顔が覚えられない。 商談で盛り上がった取引先担当者が1ヶ月後に再び来社した時、「はじめまして」と名刺を差し出してしまい、悲しい顔で帰って行くという失態を繰り返してきた。一度食べた料理の味は絶対忘れないのに、人の顔が覚えられないのだ。 このままではビジネスに支障を来すということで、その道の達人に顔の記憶術を指南してもらった。 その1.夜のおねえさん。1年前に1時間だけ席についた1人のおっさんの顔を記憶できなければ、この世界では成功しない。 「○○さん、と相手の名前を言って会話を始めるといいですよ。それと、似ている芸能人の名前で覚えるとか、名刺に似顔絵を描くとか」 どれもありきたりだな。 その2.ブティックの店員さん。1年前に1着だけ買った服を着て来店した客に対し、「お似合いですよ」と言えなければ商売にはならない。 「人の顔を起点にするのではなく、この服を買ってくれた人という服基準で覚えると忘れにくいですね」 う〜ん、サラリーマンはみんなダークスーツだからこれは無理だ。 その3.なじみの散髪屋さん。以前、飛び込みで入った散髪屋さんのオーナーに「この頭、どこかで見たことがあるんだよね」と言われたことがあった。詳しく聞くと、別の店で20年前に客の私を目撃していたことがわかった。カットしたのは別のスタッフなのに、頭の形だけで記憶していたのだ(そんなに変な形なのか)。感動して、それ以来、常連になった。 「どんな髪型が似合うかイメージしながら頭を見ると忘れません」 通常の商談で頭ばかり見るのは不自然だし、相手によっては失礼になる場合もあるからこれも厳しい。 それぞれの業界に適応した三者三様のツボに納得しつつも、明確な答えを導くことはできなかった。そこで、食品業界的記憶術をいろいろ試してみることにした。 顔からイメージする味で覚える…甘い顔、苦い顔、胸焼けするやつ。似ている食材の名前で覚える…アナゴ君、キュウリさん、大トロ男。雰囲気から連想する料理で覚える…炒飯君、しろめしさん、ジャンク野郎。 結果は1年後に報告させていただきます。 ================================================================ 美男美女の条件は左右対称であることらしく、覚えにくい顔かもしれません。
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