481.主婦目線(2010.8.2掲載)
日本商工会議所が発行する月刊「石垣」2010年7月号に、「光る女性の視点」という特集記事があり、主婦目線で成功した5つの商品やサービス事例が紹介されていた。 その内の2つが普段よく利用するものだった。 まず、地下鉄駅構内などで目にする「のりかえ便利マップ」。乗り換え時の移動距離が最短で済むよう、便利マップで乗るべき車両番号を確認する。よく見かける光景である。 このマップを開発したのは、株式会社ナビット社長の福井泰代さん。専業主婦時代にベビーカーの長男と地下鉄に乗った際、エスカレーターやエレベーターの場所がわからず苦労したことがきっかけで、マップづくりを開始。5ヶ月かけて都内256駅の調査を完了させ、2年後にマップが東京メトロに採用された。株式会社ナビットを立ち上げた。 現在、同社はスーパーの特売チラシ検索サイト「毎日特売」や、学習塾案内の「e-juku-walker」など幅広いサービスを提供している。 主婦目線の教訓その1…「嫌だなと思ったら、そこにビジネスチャンスがあると思え」。 次に、JR大宮駅構内にある「駅弁屋 旨囲門(うまいもん)」。競合ひしめく「エキナカ」で、1日600〜1200個の駅弁を売る繁盛店。小生も、みちのく一人旅のお伴によく購入する。 この店を繁盛店に変えたのは、経営母体である日本レストランエンタプライズ大宮営業所所長の三浦由紀江さん。44歳の時、専業主婦を卒業して初めて仕事をしたのが上野駅構内の駅弁屋。時給800円のパートながら、主婦目線で気づいたことを実行し、売り上げを伸ばした。そして9年後、大宮営業所所長に大抜擢されたのだ。 気づいたこととは、自分が売りやすい商品を売る、自分が食べておいしい商品を売る、自分のやりたいように売場を変更する。あたりまえの感覚である。 主婦目線の教訓その2…「学歴、経験、年齢は関係ない。大切なのは、自分で限界をつくらないこと」。 すばらしいお二人である。 ひらめきがビジネスとして定着しても、自身が経営者やマネージャーに上り詰めても、決して失うことのない主婦目線と現場感覚。 ヒットの種は現場にあるのだ。 ================================================================ 駅弁の三浦さん、子育てと同じように部下を育成するそうです。
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