521.昭和への処方箋(2011.5.23掲載)
日経消費ウォッチャー2011年5月号が「低迷する消費 回復への処方箋」という特集記事を組み、大震災後の消費回復に関する専門家47人の提言を紹介していた。 自粛による日本経済の停滞は一種の二次災害であり、被災地支援のためにも、「節約しながら消費」という矛盾を解決する処方箋が必要なのだ。 「言い訳消費」 今の状況でゴルフに興じるのは心が痛むが、「プレー代=通常料金+復興資金1000円」と設定すれば、後ろめたさが達成感に変わり、躊躇していた人々がゴルフ場に足を運ぶ。 私の知人も、一杯につき50円を被災地支援に充てる「復興ラーメン」を企画している。目的と言い訳さえ準備してあげれば、消費は必ず復活するはず。 言い訳では物足りない人のために、「被災地からのGOサイン」が必要との提言もあった。「東京は日常に戻って経済を回し東北を支援してください」という首長からのメッセージがあれば言うことなし。 「逆転の発想」 節電で街は少し暗くなったが、「もしかしたらお肌のアラが目立たないかも」 →「美人が増える?」→「恋が生まれる?」→「恋愛消費!」といった逆転の発想ができないだろうか。今までの日本は明るすぎた。 解像度の粗さを逆手に取った「プリクラマジック」で美男美女が増えたように、暗闇で恋愛が成就することに期待したい。心身ともに見えにくい部分がある方が、人は幸せなのだ。 「定休日の復活」 節電対策として定休日制度を復活させる。昔はデパートも週1回の定休日があった。ファミレスやコンビニも周辺店舗と調整しながら休みにすればいい。さらに、定休日を利用した復興支援を企画するもよし。 定休日の前夜はそのデパートの社員が繁華街に繰り出すわけで、飲食店の経済効果も見込める。それと、正月休みも復活させて欲しい。火鉢のにおいと凛とした元旦の空気は、全ての活動が休止した状態でのみ体感できるのだ。 処方箋を総括すると、「むかしの暮らし」と言えなくもない。暗くてちょっと貧しかったけど、肉食男子があふれ、明日への希望に充ち満ちていたあの頃。 そう、これこそが輝ける昭和への処方箋だと思うのである。 ================================================================ 他に、「創エネ」「不便を楽しむ」「サブ住宅」などの提案がありました。
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