707.神対応(2015.2.16掲載)
昨今の食品クレーム騒動を教訓に、各メーカーは消費者対応の充実を方針に掲げ、万全の態勢で新年度を迎えようとしている。 例えば、「おたくのかつお節買ったんだけど、なんだか魚臭いわよ」という消費者に対し「原料は魚ですから」と切れるのではなく、カツオからかつお節ができるという認識が薄れてしまったマーケット事情を真摯に受け止め、「ご提案ありがとうございます」と回答するべきなのだ。 神対応することでファンが増えるという道理は、常にアイドル達が実証しているではないか。そんな消費者対応で売上を伸ばしている企業を紹介する。 愛知ドビーの対応。 水を入れずに調理ができるホーロー鍋「バーミキュラ」を製造販売。この鍋を初めて買った消費者から「使い方がよくわからない」という電話がかかった場合、「それでは今から一緒に料理しましょう」と電話越しに同時進行で料理を開始する。 半年以上毎日バーミキュラを使用し、100種類以上のレシピ経験がある顧客係がプロの技で対応。これが奏功して現在納品2ヶ月待ち。 サマンサジャパンの対応。 清掃は「繁盛手助け業」と考える施設清掃業者。この企業はクレーム対応を進化させるべく、「クレーム」のことを全社的に「チャンスコール」と呼ぶようにした。たかが呼称の変更だが、スタッフの精神的な負担が減り、現場からの提案が3割増えた。クレームは受けるものではなく、積極的に取りに行くものという考え方が浸透したのだ。 二六製作所の対応。 磁石の専門商社で、「注文金額にかかわらず送料・代引き手数料無料」という通販対応が注目を浴びている。例えば、29円の磁石1個の注文が沖縄の離島から入った場合、2000円の送料をかけて納品する。もちろん赤字。 ただ、年間の送料を合計しても数百万円程度。仮に同じ金額を広告宣伝費に使ったって大した効果は見込めない。ならば送料を無料にした方が確実に消費者は喜ぶ。 なるほど。どの事例もすごすぎるぞ。まずは、家庭内で今日からできる神対応はないか思案する今日この頃である。
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