757.キヨサンpart3(2016.2.15掲載)
ある大手企業の社長さんから、寺山修司が演劇で使っていた都々逸を教えてもらった。 「人に好かれていい子になって 落ちて行くときゃ独りじゃないか おれの墓場はおいらがさがす そうだその気でゆこうじゃないか」 そして、これは渦中のベッキーや清原和博選手のことで、タレントさんは儚いものだと付け加えた。然り。 実は、清原選手は本コラムで2回も登場してもらっている。 2001年11月26日第45号「キヨサン」 岡田さんという生物学者が海綿から新規化合物を発見して「オカダ酸」と名付けた。この物質は抗がん剤としての効果が期待されている。新しく発見した化合物や生物種に自分の名前を入れるのは化学者の夢。 そこで、清原選手に存在しているはずの「少年の心化合物」を見つけたい。いつまでもやんちゃな野球少年にはきっと少年の心化合物「キヨサン」があるはずなんだ。 2008年10月20日第391号「発見」 職業別の平均寿命でダントツ長寿なのが画家と生物学者であるが、2つの職業の共通点は、お絵かきと昆虫採集という少年の心を生業としていること。少年の心といえば、未だ見つからないキヨサン。もし、キヨサンに長寿効果があれば、ノーベル賞は確実だぞ。 しかし、清原選手は引退してしまった。引退セレモニーで涙腺からキヨサンがこぼれ落ちた時、少年の心化合物の抽出対象を横綱朝青龍関に変更した。新規化合物は「アサゼキ」と命名するんだ。 清原選手と朝青龍関。どうして私が心酔するアスリートはダークサイドに落ちてしまうのか。アスリートだけではない。萩原健一、尾崎豊、北野武…。ご贔屓はたいていお縄を頂戴している。 ダークサイドに落ちそうな危うさが人を引き付けるのか、はたまた自分にもその闇があるから共感するのか。 となると、これから探索する新規物質はダークな闇化合物。見つかったあかつきには、やっぱり「キヨサン」と命名したいものである。
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