831.おなまえ(2017.7.31掲載)
6月29日放送のNHK人名探究バラエティー「日本人のおなまえっ!」を見ていて、色に関する積年の謎が解けた。 その日の放送は色の付く名字を探究する企画で、「名字に多い色は青、赤、黒、白の4色」だと解説していた。例えば青木、赤川、黒田、白石。その理由は、古代人の色表現がこの4色に集約されていたから。 山の緑や海の青はすべて青(緑は色ではなく新芽を表現する言葉だった)。紅葉の黄色や橙色はすべて赤。闇は黒。眩しい光は白。 で、解けたのは「青い、赤い、黒い、白いと言うのに、黄い、茶い、紫いなどと言わないのはなぜか」という謎。すなわち、古来より色として使用されていない単語だったから〇〇色とする必要があった、という答え。 とすると、商品名に色を入れる場合も、青、赤、黒、白に絞った方がヒットにつながるのではないか。 松田聖子「青い珊瑚礁」「白いパラソル」、小林旭「赤いトラクター」、童謡「赤い靴」、水原弘「黒い花びら」、加藤登紀子「黒の舟歌」、ベッツィ&クリス「白い色は恋人の色」、チェリッシュ「白いギター」…。あるある。 けど、歌ばかりで食品はないな。 食品の場合、石屋製菓の「白い恋人」のような特殊事例を除いて色をアピールする商品は少ないのだ。 この機会に、ネーミングの奥義を調べてみた。 言語学者によると、日本人は、カ行、サ行で始まって母音がアで終わる音が好きだという。「カローラ」「ゴジラ」「スタバ」「さんま」「昭和」…。 たしかに、我が社のロングセラー商品「さつま」もこの法則に合致する。ならば色の法則も盛り込んで、「黒さつま」はどうか。なんだか焼酎の商品名みたいだけど。 実際、売上高トップの霧島酒造「黒霧島」も、この法則に合致している。 ネーミングに正解はないが、しばらくは法則に乗っかって走り続けるしかないのである。
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