848.長男の受難(2017.12.4掲載)
スポーツの世界で大成するのは長男長女より次男次女であることの方が多い。 若乃花より貴乃花、浅田舞より浅田真央、岩村敬士より岩村明憲、伊調千春より伊調馨…。下の子の方が総じて体格がいいということに加え、まあまあほったらかされてワイルドに育ったことが奏功するのだと思う。 ほったらかされ環境がプラスになるのは、アレルギーの世界ですでに検証されている。 1958年3月生まれの英国人17414人を調査したところ、年上の兄弟がいると11〜23歳時における花粉症および1歳までの湿疹の有症率が低いというのだ。 アレルギー症状は、きれいな環境で攻撃する相手がいなくなったことで自身を攻めちゃう自己免疫疾患。だから、幼少期に田舎で家畜と生活を共にした人にアレルギー患者は少ないし、「お大事子」の長男長女はアレルギーを覚悟せねばならない。 他にもいろいろある。 イタリア空軍士官学校で17〜24歳の学生を調査したところ、A型肝炎ウイルスに感染した群ではアレルギー性鼻炎の頻度が低かった。 和歌山県中部の中学1年生を調査したところ、ツベルクリン反応陽性の学童はアレルギー性鼻炎や湿疹の有病率が低かった。 イギリスの学童を調査したところ、2歳までに抗生物質を経口投与するとその後のアレルギー発症率が増加した。 そして、マウスの実験では、寄生虫に感染したマウスは非感染マウスに比べてアレルギー症状が軽かった。 では最後に食生活。これは、食事の欧米化が原因。典型的な欧米食にはリノール酸が多く含まれるのだが、リノール酸は体内でアレルギー症状を引き起こすロイコトリエンやトロンボキサンに変換してしまうのだ。 そこで魚。ご存じEPAやDHAは抗アレルギー作用を持つ。 長男でツベルクリン反応陰性の私は、せっせと魚を食べる毎日なのである。
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