849.年末調整(2017.12.11掲載)
いま人類が直面している最大の健康問題は、がんでもアレルギー疾患でもなく肥満である。 肥満は2型糖尿病や心臓病、脳卒中、ある種のがんなどの発症リスクを高め、14年も寿命を縮めると言われている。また、肥満寸前の体重過多も免疫力を下げ、良質な睡眠や健康な加齢を妨げることがわかっている。 2014年、世界の成人の13%にあたる6億人が肥満だった。これは、1980年と比べて2倍以上。さらに米国に限ると成人の37%が肥満であり、2030年には米国民の半数が肥満になるとの予測もある。 飽食ニッポンもうかうかしていられない。これからの年末年始は暴飲暴食の誘惑だらけ。最低でも体重を3kg落して肥満ウィークに突入すべきなのだ。 これを個人的に「年末調整」と呼んでいる。 調整法は運動ではなく、何をどれくらい食べるかの方が重要。ポイントは、食事量を減らしても空腹感が発生しないメニュー。 米国タフツ大学のロバート博士らは、血糖値を上げる度合いを示す指標「グリセミック指数(GI値)」が高い朝食(加工されたシリアルなど)を食べた場合、低グリセミック指数の朝食(ひき割りオートミールやスクランブルエッグ)に比べ、その後の数時間に摂取するカロリーが29%多くなることを報告した。つまり、血糖値が上がる食事では満腹感が得られない。 さらに、133人の被験者を2つのグループに無作為に分けた実験でも成果が出た。タンパク質と食物繊維が豊富でグリセミック指数の低い食事(魚、豆、リンゴ、野菜、グリルドチキン、小麦粒など)のグループと、食事制限なしのグループ。 6ヶ月の実験の結果、低グリセミックグループは体重が平均で8kg減、制限なしグループは0.9kg増だった。これはすごい。 爆食シーズン突入まで時間がないが、白米(GI値88)より玄米(同55)、じゃがいも(同90)よりさつまいも(同55)で3kg減量の予定。 税金ではなくぜい肉を落とす年末調整なのである。
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