924.NHK的人生相談(2019.6.17掲載)
最近、テレビで人生相談的な番組が増えたような気がする。特にNHK。 印象に残った番組を紹介する。 「天国からのお客さま」(BSプレミアム特番) 夏目漱石、勝新太郎、立川談志の3人が、生前そのままの姿でアンドロイドとして復活し、一般人の相談に答えるという企画。 字面だけ見るとパッとしない感じだが、アンドロイドの出来と声優のモノマネがすばらしく、終盤はほんとによみがえったような錯覚に襲われた。勝新太郎が高校演劇部の質問に答える演技論、すごすぎて泣けてきた。 「世界の哲学者に人生相談」(Eテレ毎週木曜午後10時50分) 視聴者からの人生相談に対する答えを哲学者の残した珠玉の名言や思想から引用し、分かりやすく「お考え」として紹介。悩み解決のヒントにどうつながるのか、司会の高田純次と哲学者の山口大学小川仁志教授らが熱く語り合う。 ソクラテス、プラトン、サルトル…。偉人が身近に感じられ、難解なイメージの「哲学」に対する抵抗がなくなった。 「ミラクルカウンセリング〜世界の賢者があなたを救う〜」(NHK特番) 現代文明の垢にまみれた日本人のちっぽけな悩みを、原始の暮らしを続ける部族の長老たちはどう一蹴するのか。 30代女性の「売れないお笑い芸人の彼氏と結婚したいがお金で苦労するから悩んでいる」という質問に対するマサイ族の長老の答えが秀逸だった。 「男性の経済力など気にせず結婚すればいい、問題なのはその男性がどんな家庭で育ったかだ」 親族単位で部落を形成するマサイ族にとって、異なる部落の血が入ることは重要な問題だそうだ。けど、この考え、現代の日本社会でも十分通用する。本性は親を見ればわかるということか。恐いな。 人生相談の多くが毒を吐いて楽になりたいだけなのだろうが、痛快な答えに救われることもある。 アボリジニの言葉「お金は食べられない」みたいに。
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