925.幸せ物質(2019.6.24掲載)
健康診断のたびに我が血中コレステロール濃度は上昇を続け、今年、いよいよ200mg/dlの大台に突入した。 しかし、全く心配していない。60歳くらいになると、血中コレステロールが200程度あったほうが長生きするというデータが広く浸透しており、我が肉体も熟年を迎える準備が整ったということである。 他に、痩せているより小太りの方が長命という説も定着してきて、最近は総じて肉食をすすめる傾向にある。 魚食文化の日本において、これまで肉食は不健康な欧米食の代名詞として忌避されてきたが、よくよく考えてみると、6世紀に仏教が伝わってくるまではずっと肉を食べてきたではないか。 縄文人は、猪、鹿、兎、雁、鶴、鴨、鶏、なんでも食べた(牛は弥生時代以降に渡来人が伝えた)。日本食はヘルシーというが、それは、肉食もバランスよく取り入れての話だと思う。 それに、肉を食べると幸せになる。赤身に多く含まれるトリプトファンとビタミンB6は体内で幸福物質セロトニンに変わり、脂肪中のアラキドン酸は、これまた幸福感を味わえるアナンダマイドという化合物に変化するのだ。 肉食万歳ナンマイダーってな感じの幸せな響きである。実際、サンスクリット語で「歓喜」を意味するアーナンダとアミドという化学用語を組み合わせてアナンダマイドと命名された。 そんな幸せ物質の素となるトリプトファンとビタミンB6とアラキドン酸。実はこの御三家、かつお節にもたっぷり含まれているのだ。だしの効いた和食を食べるとほっこりするのは、幸せ物質のおかげなんだ。 さあ、みんなで肉とかつお節を食べよう。文明開化で肉食をすすめてくれた福沢諭吉先生に感謝しつつ、幸せになろう。 そして、コレステロールと引き換えに、我が懐から笑顔で諭吉先生を送りだすのであります。
\\\\
|
column menu
|