947.サナダムシ(2019.12.2掲載)
東京の都心には緑が多い。 へんなオブジェのないシンプルな公園が緑をたくさん抱えている。 田舎の公園は、なぜかオブジェに固執する。地域の名産が柑橘類となると、いきおい公園に直径3メートルくらいの巨大なコンクリート製ミカンが鎮座したりする。 自由な空間を狭めてしまうだけのミカンに、いったい何の意味があるのか。雑木林と原っぱのままでいい。ほっとけば子供たちが自由に遊びの道具を作ってくれる。 それと、「ボール投げをしないで下さい」などの禁止事項の多いこと。昭和の野球小僧にとっては、なんともさみしい立て看板だ。 先日覗いた山あいの公園には、「山芋掘り禁止」なんて立て札があった。これはこれで地崩れ防止という安全上の理由があるのかもしれないが、泥だらけで山芋を掘る楽しさも捨てがたいぞ。こんな過保護なことをしていたら、日本人は世界一軟弱な民族になってしまう。 そんな憂いを行動に移し、子供たちに泥んこ遊びを奨励しているのが寄生虫で有名な藤田紘一郎先生。 寄生虫がアレルギー反応を抑制するという研究を長年続けてこられた先生は、泥んこ遊びで接触する細菌やウイルスもまたアレルギー反応を抑えることを証明した。 「バイキンが子どもを強くする」「清潔はビョーキだ」などの著書は批判もされているが、日本民族存続のための啓蒙活動に迷いはない。 そして自らの体で証明せんと、藤田先生はお腹の中にサナダムシを飼い、アレルギーとの関係で成果を出した。 サナダムシを飼うには、名付けも大事らしい。 最初、サナダつながりで、真田広之元夫人の手塚理美から取った「サトミちゃん」を飲んだが長く居つかず、元カノと同じ名前の「キヨミちゃん」というサナダムシが一番相性が良かったらしい。 よくわからないが、サナダムシ、ぜったい飲み込めません。
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