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もうすぐ、東京帝国大学の池田菊苗博士がうま味成分を発見して120年目の記念すべき年がやってくる。 1908年、池田博士は昆布のうま味がグルタミン酸であることを発見し、うま味調味料グルタミン酸ナトリウムの製法特許を取得(特許第14805号)。この功績で、食品分野でただ一人、特許庁が認定する日本の十大発明家として顕彰されている。 かつお節のうま味であるイノシン酸は、その5年後の1913年に池田博士の弟子である小玉新太郎博士によって発見され、しいたけのうま味であるグアニル酸は、1957年に同じく東大(後にヤマサ醤油)の国中明博士によって発見された。 さらに国中博士は、グルタミン酸とイノシン酸、グアニル酸を混ぜるとうま味が増強される相乗効果を発見し、その理論は、「味の素」「ハイミー」などの商品に応用されている(味の素=グルタミン酸97.5%、イノシン酸+グアニル酸2.5%/ハイミー=グルタミン酸92%、イノシン酸+グアニル酸8%)。 しかし、うま味が発見されて120年近く経つというのに、うま味成分を混ぜるとなぜうま味が増すのかはいまだに謎である。 昆布、かつお節、しいたけを混ぜるとおいしくなるということは、植物系、動物系、菌体系食材をバランスよく摂るよう造物主が仕組んだ栄養学という見方もできるのではないか。合わせだしを体が要求しているのだ。 合わせだしが美味しくなる「相乗効果」だが、専門用語は少々堅苦しい。 そこで、相乗効果に変わるキーワードとして、「だし算」という商標権を取得した。1+1が2ではなく、8くらいに感じる現象だから、だし算。 国中博士がご存命なら、クスッと笑ってくれただろうか。
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