5. コメくらべ (2001.02.19掲載)
ハワイのセブンイレブンでおにぎりを買って、食べた。もちろんおかか。日本のサイズより少し大きいが二ドル。ジャポニカ米でおいしかった。 グアムのセブンイレブンでおにぎりを買って、食べた。またまたおかか。これも少し大きめで二ドル。しかし、インディカ米。パサパサでまずかった。数年前のコメ不足を思い出した。 ハワイとグアムの違いは、このおにぎりの違いに象徴される。中途半端なんだよな、グアムは。 適度に外国していて、治安を気にせず「外国ごっこ」が満喫できるという点では文句なしの合格点だが、街の浮かれ方や、人々のはしゃぎっぷり、ショップの華やかさなんかの「縁日リゾート」部分のスケールが小さい。リトルハワイを目指し、ジャパンマネーにターゲットを絞っているならジャポニカ米にしなきゃ、おにぎりくらい。 世界的に見ると、ジャポニカ米の生産量は一五%と、インディカ米の八〇%には遙か及ばない(残りの五%はジャバニカ米)。しかし、粘り気のないインディカ米をいくらにぎっても、おにぎり特有のコメつぶ一体感は得られない。 コメつぶの粘り気は、アミロースというでんぷん成分の含量に左右される。ジャポニカ米はインディカ米よりアミロース含量が低く、さらにもち米になるとアミロースがほとんど存在しなくなる。アミロースの多さがパサパサの原因なのだ。 アミロースに罪はないが、コメつぶに一体感がないようにグアムの街にも一体感がない。 一方、あの、秋祭りのそこらじゅうが一緒になって浮かれ続けるテンションがハワイにはある。知らない人、知らない街、知らない海であるにもかかわらず、収穫祭の歓喜にも似たざわめきが街を一つにする。 ハレもケもなくなってしまった今の日本で秋祭りの高揚を得るのは難しく、そういった背景が人々をハワイに向かわせるのではないか。 ハワイアンを祭ばやしに置き換えれば、まさにカラカウア大通りは神社の境内。そして、ジャパニーズが小脇に抱えるブランドショップの手提げ袋は屋台くじの景品か。 ま、とにかく、グアムはおにぎりをジャポニカ米にするところから始めなきゃね。
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