44.乏年会(2001.11.19掲載)
胸おどり、胃はもたれ、頭うなる忘年会の季節がやってきた。字のごとく心を亡くして暴年会にならぬよう、爆飲爆食で膨年会にならぬよう、慎ましく忙年の納めとしたいものである。 ところで、東京と松山で勤務経験のある私は、毎年この忘年会の会費の差がとても気になる。とにかく松山は高い。松山で参加すると東京の倍近く取りやがる。先日も非常識な金額を集金に来た幹事の首を絞めたところ、「学生とバッティングしない場所をセレクトするとこの金額になっちゃうんです」。 うーん、それも一理あるか。いかに人口1人あたりの飲み屋の数が日本一だとはいえ、狭い歓楽街にネオンが一極集中する松山の夜は、自然、老若入り乱れてしまう(男女も入り乱れたい)。 東京はどうか。新橋ガード下や御徒町の激安店に学生はいない。煮込みとホッピーでくだを巻くサラリーマンの聖地で、パラサイトたちの一気コールを聞くことは決してないのだ。つまり、エリアさえ選べば店はどこだっていいというわけ。 てことで、松山で連戦の今年は仕方なく蓄えを切り崩してフトコロの準備。そしてアルコール対策として、ユンケル皇帝液ロイヤル(実売価格1000円前後のやつ)をチャージし、牛乳で胃の内壁をコート。これで悪酔いしない。 酒好きの知人にこの方法を勧めたところ、「いくら飲んでも酔えず酒代が高くついて困った」とグチられた。それほどに効くのだ。つまりはエタノールの代謝で生成したアセトアルデヒドをいかに早く酢酸に変えるかがポイントであり、その助っ人がユンケル皇帝液ロイヤルなのだ。 アルコールに酔うというアジア人の特性を再認識しつつ、ドラッグストア経由で高い高い宴に身を寄せる今日このごろ。 あぁ、乏年会の夜はふけて。
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