47.なりわい(2001.12.10掲載)
四国に在住する関係で、よく讃岐うどんのことを聞かれる。 「讃岐人は毎日うどんを食べるのか?」「200円でお腹いっぱいになるって本当か?」「讃岐うどんはつゆなしでもおいしいのか?」 これらの問いは、すべてYESである。 とにかく讃岐人はうどん人。1日1回必ずうどん。農家の軒先でセルフサービスをやってる店なんかだと、150円で食べられたりするからドトールコーヒーよりお得。もちろん麺は絶品。麺がうまいから、つゆはどうでもいいって感じでこだわらない。めんつゆメーカーが時々讃岐うどんつゆのリサーチをしているが、ここのつゆは参考にならない。 たしかに焼き肉のタレも、うまい焼き肉屋ほどシンプルなタレになっている場合が多い。肉がうまいからタレなんてどうでもいいのだ。本業はうどん屋、焼き肉屋であって、つゆ屋、タレ屋ではないのだから。 こんな感じで、いろんなごはん屋さんを本業で勝負しているかどうかで見てみるのもおもしろい。ソースをかけないお好み焼きの味、ネタをはずしたにぎり寿司の味、醤油をつけない刺身の味。刺激的な脇役に惑わされていないかチェックするのである。 ごはん屋さんだけじゃないぞ。 衣類の場合だと外見のカッコよさだけでなく、着ていることを忘れさせるフィット感と体温調節を助ける素材の良さが備わっているかどうか。クルマの場合はゴージャスな内装より、走る、止まる、曲がるが心地よくできるかどうか。服は着心地、クルマは乗り心地。これが本業である。 じゃ、人は?もちろん人にも本業がある。本業は本来の生業。私の本業は新商品の開発。本業に自信がないから物書きのまねごとなぞしてごまかしているのかな?そういや下手なプロ野球選手ほど、タレントまがいの饒舌トークでプレーをごまかしているような…。 ま、とにかくおいしい商品とおもしろい文章で、幸せお腹いっぱいにして見せます。 やはり、「人は夢心地」。これが一番。
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