54.対決(2002.02.04掲載)
余興行進曲 輸入してまで食べ残す飽食のニッポン。その典型ともいえる外食産業をご存じだろうか。それはおもてなしの押し売り、結婚式場である。 家庭での食事廃棄率7.7%、レストランは5.1%。これに対し結婚式場のそれは、なんと23.9%にもなる。これはスゴイ。ジミ婚ばやりで減少傾向にあるとは思うが、この桁違いの数字には驚かされる。 学生時代、結婚式場でバイトしていた私は、4年間で300組の披露宴を手伝い、4品に1品は手つかずで残される料理を片付け続けた。賓客が帰った後、どんなに空腹でも決して食べてはいけない。誰も見ていなくても決して手をつけてはいけない。けど、意を決して食べたことが実は数回ある。ごめんなさい。そして、見向きもされない手つかずの定番は、炊き合わせ、茶碗蒸し、ちらし寿司などであった。 ところで、もうひとつ披露宴で見向きもされない定番がある。それはご存じ下ネタセレモニー。新郎新婦を赤面させ親族がうなだれるネタが、いまだに継承されているのだ。 下ネタセレモニー定番その1.「運転免許証授与」。 新郎に、新婦を運転する際必要となる免許証が授与される。「暖機運転をし、十分に潤滑油が行き渡ってから発進すること」「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」「人に貸してはならない」「毎月1回は定期点検のため休ませること」「ギアはロー、セカンド、サードと徐々にシフトアップすること。いきなりバックに入れてはならない」…おいおい。 下ネタセレモニー定番その2.「局地天気予報」。 運転免許証よりエグイがちょっと笑える一発モノ。「○○地方の予報です。今夜遅く、○○ホテルを震源とする直下型の地震が発生し、激しい縦揺れ横揺れの後、白い津波が押し寄せるでしょう」…くだらねー。 そこで、食品業界おすすめのネタを提案。名付けて「新郎商品規格書」。 新郎を出荷する両親が製品規格書を読み上げるというキッチュなネタ。「名称:新郎、内容量:67?(体脂肪率15%マッチョ系)、原材料配合:気合い60%、根性26%、国粋主義14%、添加物:軟弱防止剤、体育会系着色料、賞味期限:玉砕まで、使用上の注意:まれに憂鬱の沈殿を生じることがありますが旨味成分の一種であり品質に影響はございません、よくふってご使用下さい、保存方法:開封後はネオン、アルコールを避け、冷暗所に保存下さい、販売者:私、製造者:家内」…だめだこりゃ。 …披露宴の余興無視され率86.7%。
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