67.台所技術の理解度調査(2002.05.07掲載)
文部科学省が実施した「科学技術の理解度に関する調査結果」が新聞に出ていた。科学に関する10個の質問の真偽を答えるもので、同じ調査をした欧米13カ国の平均正解率を見ると、1位のデンマークが64%、2位の英国が63%、3位の米国が61%。日本は51%でポルトガル(43%)、ギリシャ(44%)に次いで3番目に低かったとのこと。以前から懸念されていた「日本人の理科離れ」が結果として露呈した数値だろうか。 問題を紹介する。文末の数字は日本の正解率である。1.大陸は何万年もかけて移動し続けている(83%)、2.現在の人類は原始的動物種から進化した(78%)、3.地球の中心部は非常に高温である(77%)、4.私たちが呼吸に使う酸素は植物が作った(67%)、5.すべての放射能は人工的に作られたものだ(56%)、6.ごく初期の人類は恐竜と同時代に生きていた(40%)、7.男になるか女になるかを決めるのは父親の遺伝子だ(25%)、8.抗生物質はバクテリア同様ウイルスも殺す(23%)、9.電子の大きさは原子の大きさより小さい(30%)、10.レーザーは音波を集中することで得られる(28%)。正解率の低い7、8番あたり、けっこう悩ましい問題だ。 科学技術の理解度は惨憺たる結果だが、台所技術の理解度なら日本はダントツ1位ではないか。「おもいっきりTV」「発掘あるある大辞典」「ためしてガッテン」など、あふれる食材系ヘルシー情報には事欠かない。 で、問題を作ってみた。1.納豆には血栓を溶かす効果がある、2.レモンや梅干しは酸性食品である、3.パッケージ裏面の原材料表示は配合量の多い順に並んでいる、4.おにぎりを竹の皮で包むのは抗酸化性を期待してのこと、5.100g中のタンパク質含量が最も多い食品はかつお節である、6.グラニュー糖は上白糖より甘い、7.かつお節でだしを取るときの標準使用量は水1リットルに対し30gである、8.酢を飲むと体が柔らかくなる、9.唐辛子中のカプサイシンは脂肪の代謝効率を高める、10.1日の塩分摂取量は10g以下が望ましい。 菊間アナが勝ち誇った顔で解説してくれそうな問題である。
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