70.切れ味切り口(2002.05.27掲載)
食品の開発において、対象となるテーマが一般的であればあるほど自分の切り口というものが重要になってくる。花かつおなどその典型。研究しつくされ、開発しつくされてきた分野だけに、さらなる革新にはかなり斬新な切り口が必要となってくるのだ。 では、その自分の切り口というものをどこで磨けばいいのか。教材は身の回りにたくさんある。 いい教材の一例。それはビートたけしさんのコメント。毒舌ではあるが、誰も切らない角度からのトークは新鮮。例えば、1988年に海上自衛隊の潜水艦「なだしお」が釣り船「第一富士丸」と衝突し、多数の犠牲者が出るという事件があったが、この時の大多数の世論は航路を守らなかった潜水艦なだしおに非があるというものだった。しかし、たけしさんは「潜水艦は仕事中、釣り船は遊び中、だから仕事中の潜水艦に航路を譲らなかった釣り船が悪い」とコメントしていた。納得の切り口。この日以来、私はタクシー、トラックなど、仕事中の車両には必ず道を譲るようになった。 悪い教材の一例。それはNHKのプロ野球解説者。ワンアウト一塁の場面でかつての名選手曰く、「ここはゲッツーですね」…。あたりまえだ。小学生でも言えるコメント。聞いてられない。 こんな風に、いい教材悪い教材あふれるメディアを利用し、自分がコメンテイターならどう答えるかをシミュレーションするのも訓練法の一つではないか。そして、商品開発における自分の切り口は新鮮か、マンネリじゃないか、鋭く切れているか等と自問自答しながら、ヒット商品のアイディアをひねる。 花かつおの商品開発もカツオのお刺身も、切れ味するどい切り口が基本なのであります。
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