99.しろうと(2002.12.23掲載)
またテレビに出演してしまった。日テレがときどき持ち込む企画で、会社探検のようなストーリーを展開しつつ企業のこだわりをPRする5分間番組。とりあえずの台本2ページと小芝居あり。 過去2回の出演歴は自己嫌悪の歴史でもある。精一杯やったつもりでも、オンエアを見ると情けない素人芝居にへこんで消沈。声は通ってないし、目は泳いでるしで相手役(アナウンサー)との力の差を見せつけられた。たまに「湯けむり殺人事件」てな感じの2時間ドラマで地方旅館の主人がそのまま登場して素人芝居を炸裂させているが、まさにあの状態である。 そこで今回の出演依頼。これで最後の3回目。過去の反省をふまえ、役者奥義3箇条で「しろうとからの脱却」を図ってみた。 その1.「目」。照明になれていないせいか、素人はやたらとまばたきをする。俳優は目を閉じない。だから表情がクリアに伝わる。そこで、セリフをしゃべる間はまばたきをしないよう心がけた。相手役と見つめ合うのはちょっぴり恥ずかしかった。 その2.「声」。生声ではさほどの差はないが、マイクを通した時、プロとアマでは声の通り方が違う。俳優の声は押し出しが利き迫力満点。負けないように腹式呼吸で頑張ってみた。 その3.「軸」。テレビの演技は大げさすぎるくらいがちょうどいい。素人は遠慮気味に演技するから中途半端。よって、思いっきりオーバーアクションに徹する。ここで、体の中心線が動かないように注意。画面の中で軸がぶれるとすごく見づらい。相手役は腹が据わっていて、松井選手のスイングみたいに軸のぶれないリアクションだった。 「目」「声」「軸」。素人が考えた役者奥義3箇条をとりあえず敢行。けど、これってファミリーレストランの接客心得のようでもある。「いらっしゃいませどうぞー」。役者になれたかファミレス店員になってしまったか、オンエアは来年。関東地区限定につき、ナイショでこっそり検証の予定である。
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