1001.早生まれ万歳(2021.1.4掲載)
1月1日から4月1日の間に生まれた「早生まれ」は何かと不利。 幼少期にはよく当てはまるこの俗説だが、最近、さまざまな点で「誕生月格差」が証明されつつある。 例えば、東大経済学部の山口慎太郎教授らが発表した論文によると、3月生まれと4月生まれを比べた場合、入学した高校の偏差値は4月生まれの方が平均で4.5ポイントも高かった。 その結果、大学進学率や大手企業に就職できる割合でも4月生まれが有利となっている。 また、30歳〜34歳の男性の場合、1〜3月生まれは4〜6月生まれに比べて賃金水準が3.9%も低くなるという別の研究結果もあったりして、誕生月格差が学歴や収入に影響すると考えるとちょっと怖い。 もちろん、スポーツの世界でも格差は出ている。プロ野球選手2238人の誕生月を調べると、「4〜6月」が34.1%を占め、15.5%しかない「1〜3月」と2倍の格差がついてしまった。ちなみに、「7〜9月」は29.9%、「10〜12月」は20.5%。 あぁ難儀な早生まれ…、でもない起死回生のデータがある。 政財界の実態を調べるべく、菅内閣の閣僚、各省庁の事務次官と長官、経団連の会長と副会長の計56人の誕生月をみると「1〜3月」の早生まれが14人で「4〜6月」の13人を上回ったのだ。 また、早生まれは少ないと前述したプロ野球選手も、首位打者や最多勝といったタイトルを取った選手に限れば、「1〜3月」生まれが最も多く、「4〜6月」の倍近くになったのだ。桑田真澄さんなんて、早生まれしんがりの4月1日生まれなんだぞ。 要するに幼少期の体格がよく、ほっといても自信をつけてリーダーになる4〜6月生まれに比べ、軟弱な早生まれはどうしても過保護になる。この過保護がいいんだ。声かけ、励まし、母子べったり。 五輪メダリストの多くが過保護だという話を聞くにつけ、ほめて伸ばす早生まれが世界を制する日も近いと思う。 中途半端な9月生まれの筆者も、負けてはいられないと思った元日の朝なのである。
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