1006.友達の数(2021.2.8掲載)
就職面接で、「あなたには親友が何人いますか?」と聞くことがある。 もちろん親友の数が問題ではなく、入社後、どのようなスタンスで社内や取引先との信頼関係を築くのかを見ている。 模範解答はこうなる。 学生「はい、5人です。うれしいことがあった時に報告したり、悩みがある時に相談したりしています」 面接官「その親友は、どのようにしてできましたか?」 学生「中学校の同級生です。たまたま席が近くて話すようになったのがきっかけだったと思います。5人とも、それぞれの思いを遠慮なく言うタイプですのでぶつかることもありますが、逆に新たな考え方として認め合うことができます。それを繰り返して親友と呼べる関係になりました」 きっかけは偶然でも、そこから人間関係を構築して自分を出せる。そして、他人の意見を尊重できる点をアピールしている。ちょっと見え見えだけど。 ここで「親友は5人」としたのにはワケがある。 進化心理学者のダンパー博士の研究によると、フェイスブックの友達が何百人いても、ツイッターのフォロワーが数千人いても、私たちにとって意味のある交際網の規模は150人ほどで限界に達するというのだ。 そして博士は、「ほとんどの人は親友が5人ほど、近しい友人が15人、通常の友達が50人、知り合いが150人」という結論を導いたのだ。 小生は親友が7人。きっかけは、県庁所在地にも関わらずスラム街と称された部落で育った幼なじみ。家族ぐるみで生活を共有してるから、悩みごとも隠しごとも筒抜けというオープンな人間関係。 けど、もし面接を受けるとしたら「親友は5人」と答える。 なぜなら、「5人という数は多いと思いますか?」と聞かれた際、ダンパー博士の研究を引き合いに出して「平均的だと思います」と答えれば、さりげなく知性もアピールできるから。 面接官は、さりげないアピールに弱いのである。
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