1011.断食ダイエット(2021.3.15掲載)
体重の適切な管理には、当然ながら外見以外にも多くのメリットがある。 糖尿病やがんのリスクが減り、心血管系が健康になり、関節痛が和らいだりする。 ところが、体重が落ちなくてもこれらの病気リスクが減って若返る食事制限がある。 それは、断続的断食。 ネズミに与える食事を1日おきにすると減量するだけでなく加齢関連の病気が減り、平均で3〜4割長生きすることを示した数十年前の研究に端を発するこの食事法、最近、人間でのデータが出始めた。 断続的断食には主に3種類の方法がある。 隔日断食…普通に食べる日と、約500キロカロリーに抑える日を交互に繰り返す。 5:2断食…週に5日は普通に食べるが、残り2日はわずかな食事を1日1回だけにする。 時間制限断食…毎日の食事を8時間の枠内に限って取るように制限する。つまり、残り16時間は何も食べない。 100人の体重過多の女性を対象に「5:2断食」と「摂取カロリー25%減」を比較した研究がある。どちらのダイエット被験者も6カ月間で同じだけ体重が減ったが、5:2断食の方が血糖値と体脂肪率が良好な数値になったのだ。 また、食事の摂取を午前9時から午後3時までの6時間に制限すると、体重が減らなかった場合も血圧と血糖値が改善するというデータが出た。 これまで「食べたり食べなかったりだと飢餓状態後の吸収率がよくて余計に太る」などと言われてきたが、どうやら俗説だったみたいだ。 というより、「運動で筋肉が付くのは運動している最中ではなく、運動後に休んで回復している間」という理論になぞらえ、「断食後に食べている時に若返る」という考え方らしい。 食べたい欲望とやせたい欲望を同時に満たす断食ダイエット。禅僧に喝を入れられそうだが、興味津々なのである。
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