1030.赤い食品(2021.7.26掲載)
ひと頃、黒い食品がカラダにいいという理由で流行っていた。 黒酢、黒酒、黒胡麻、黒豆、黒豚…。黒い食品は、医食同源の中国で最もヘルシーとされる色。 黒米、黒胡麻、黒かりん、黒豆、黒松の実を「黒五」と称し、「楊貴妃の美容食」「不老長寿の抗酸化力」等のコピーで珍重されてきた。ミネラルも多い。 今は赤じゃないかな。 赤ほうれん草、赤かぼちゃ、赤ピーマン、赤豚、赤米、赤酢、トマトにスイカ…。 喫煙者がベータカロチンを摂ると発がんリスクが増大するという不気味なデータもあるが、総じて赤い食品はビタミンAやカロチン、リコピンの供給源としてヘルシーなのである。 服や化粧品同様、食品の色の流行にも仕掛け人がいる。 不景気だから威勢のいい赤がいいし、赤はオレンジの次に食欲をそそる色。 こどもは赤くて丸いモノに吸い寄せられる。アンパンマンとか。 仕掛け人は、いろいろ講釈を付けて利権の絡む食品を販売しようとする。そして、緑、黄、紫などの食品たちは、順番待ちに息を潜める。 しかし、本来赤は完熟の色である。 動物たちに種子を運んでもらうため、種子の準備ができた時期に一番おいしい状態にして一番ヘルシーな成分にして一番記憶に残る色を用意しただけなのだ。 おいしくて健康にいいのは当たり前。わざわざ仕掛なくても、本能的に人は赤を選ぶと思う。 編隊モノの元祖「ゴレンジャー」も、リーダーは赤レンジャーだったし。 そんなことを思いながら、今夜も石原裕次郎の「赤いハンカチ」と松田聖子の「赤いスイートピー」を熱唱するのである。
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