105.クラス会の法則(2003.2.10掲載)
卒業後20年ぶりくらいでクラス会に出席すると、ある残酷な法則の存在に気づく。それは、「当時モテた女の子ほど今ボロボロ」というもの。教室のマドンナや放課後のアイドルが無惨な姿で水割りをあおる絵図に、永遠は記憶の住人に過ぎないことを知り、青春メモリーがバグるのだ。 そして、この法則には「当時地味だった女の子ほど今若い」というオマケも付く。若さを小出しにしたのかフェロモンを温存してたのか、とにかく印象の薄かった女の子ほど若さを維持している。「あんな子いたっけ…」というオヤジのつぶやきは、現役時代にコンタクトを取っていなかった悔しさと、黒木瞳のごとき若さを手に入れた同胞への嫉妬が錯綜したものなのである。 では、体重についての法則はあるか。ここは国民栄養調査の出番。肥満者の割合(BMI値=体重÷身長の2乗=25以上)をまとめたデータによると、成人男女の肥満者率は年齢と共に増加するが、男性は30歳代で肥満者率30%となった後は変化しない。つまり男は30歳代が勝負。卒業して20年後のクラス会で青春体型をキープしていれば、後は安泰と言えるのだ。 女性は少しつらい。肥満者率の増加は60歳代まで続く。クラス会アイドルを続けるにはいつまでも気が抜けない。そんな努力の成果かどうか、20年前と比べると女性の肥満者の割合は減少している。これは世界的に珍しい現象らしい。 そんなクラス会も終盤に差しかかり2次会に流れんとする頃、宴の主役は幹事でも往時のアイドルでもなく、今、一番若く見える者に移る。輪の中心に鎮座する黒木瞳は、「フェロモンは小出しにすべきよ」と言わんばかりの笑顔で勝利者となるのである。 次回の国民栄養調査では、クラス会出席頻度とBMI値の関係が考察されるに違いない。
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