1080.顔(2022.7.25掲載)
私には、人の顔が覚えられないという欠点がある。いや、ビジネスマンとしては欠陥レベルの致命傷である。 商談で盛り上がった取引先の担当者が1ヶ月後に再び来社してくれたのに「はじめまして」と名刺を出してしまい、悲しい顔で帰って行くという失態を繰り返してきた。 このままでは商売に支障を来すということで、その道の達人に顔の記憶術を指南してもらった。 その1.夜のおねえさん。 1年前に1時間だけ席についた1人のおっさんの顔を記憶できなければ、この世界では成功しない。 「○○さん、と相手の名前を言って会話を始めるといいですよ。それと、似ている芸能人の名前で覚えるとか、名刺に似顔絵を描くとか」 その2.ブティックの店員さん。 1年前に1着だけ買った服を着て来店した客に対し、「お似合いですよ」と言えなければ商売にはならない。 「人の顔を起点にするのではなく、この服を買ってくれた人という服基準で覚えると忘れにくいですね」 その3.なじみの散髪屋さん。 以前、飛び込みで入った散髪屋さんのオーナーに「この頭、どこかで見たことがあるんだよね」と言われたことがあった。詳しく聞くと、別の店で20年前に客の私を目撃していたことがわかった。カットしたのは別のスタッフなのに、頭の形だけで記憶していたのだ。以来、常連になった。 「どんな髪型が似合うかイメージしながら頭を見ると忘れません」 それぞれの業界に適応した三者三様のツボに納得。そこで、食品業界的記憶術をいろいろ試してみることにした。 顔からイメージする味で覚える…甘い顔、苦い顔、胸焼けするやつ。 似ている食材の名前で覚える…アナゴ君、キュウリさん、大トロ男。 雰囲気から連想する料理で覚える…炒飯君、しろめしさん、ジャンク野郎。 結果は後日報告させていただきます。
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