1088.いも炊きと芋煮会(2022.9.26掲載)
2006年9月23日土曜日、31年ぶりに復活した「つま恋コンサート」の模様がNHKBSで生中継され、午後1時から9時半まで、かぶりつきでかぐや姫と吉田拓郎を堪能したことがあった。 1975年の「つま恋」の時、私はまだ小学6年生であり、その後中学時代にはまった「かぐや姫のフォークギター教則本」で詳細を知った。 「夕方から朝の4時半まで歌い続けたつま恋はすごかった」と絶賛されていて、もう見ることのできない「つま恋」がどんどん膨らんでいった。 そして、2006年。 観客が5万人から3万5千人に減っても、曲数が109曲から68曲に減っても、観客の平均年齢が21歳から49歳に上がっても、チケットが2500円から15000円に上がっても、やはり「つま恋」はすごかった。 こうせつも拓郎も心から楽しんでいた。 その後も興奮さめやらず、私は後輩にフォークギターを持参させ、仕事帰りに地元の重信川河川敷で開催される「いも炊き」に参加した。 河原で里芋を炊く「いも炊き」のルーツは19世紀初頭、山形県の最上川流域に移り住んだ近江商人が、紅花取引の慰労会としてニシンと里芋を煮た「芋煮会」が始まりらしいから、仕事帰りに寄るのはある意味正しい。 しかし、フォークギターは、あまり正しくなかった。当たり前だが弾き語れるような昭和の雰囲気ではなかった。里芋に集中した。 芋煮会発祥の地、山形では毎年9月に日本一の芋煮会が開かれる(山形市内馬見ヶ崎河川敷)。直径6メートルの大鍋に里芋3トン、牛肉1.2トン、こんにゃく3500枚、ネギ3500本。青空の下、人々が大鍋に列を作る情景は、なんとなく「つま恋」と共通するものがある。 職業柄衛生面が気になる。大鍋から芋をすくうパワーショベルの油圧装置の油、混入するとまずいんじゃないか。 山形在住の知人に聞いてみた。その日だけ、重機の油も食用油に変更するのだと教えてくれた。
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