1091.薬指(2022.10.17掲載)
NHKの医学系番組で「女性はなぜ男性の指を見るのか」という命題を検証していた。 初対面の相手のどこを最初に見るかというアンケート結果によると、1位は男女とも「顔」だったが、2位は、男性が女性を見る場合が「胸」で、女性が男性を見る場合が「指」だったのだ。 女性はなぜ男性の指を見るのか。 結論は、「薬指の長さで男性の能力が推測できるから」というNHKにしては、くだけた内容だった。 人差し指に比べて薬指の長さが長いほど、男性ホルモン「テストステロン」の分泌量が多いことが証明されている。すなわち、身体能力が優れているということ。この能力は生まれた時から不変であり、女性はこの点を目利きしているというのだ。 薬指の長さ÷人差し指の長さ=1.02。これが平均値らしいが、英国サッカーの代表選手の場合、平均が1.06だったとか。 私も計測してみた。なんと、左手が1.08。けど右手は1.00。アンバランスな変態野郎か。いや、左手で勝負する男と呼んでほしい。 食の世界でも、人類は目利き力を獲得している。 例えば、酸味で腐敗を目利きし、苦味で毒を目利きする。極彩色のキノコは本能的に避けるし、果物のエステル臭は完熟度の判断材料となる。 もちろん、職業上後天的に獲得した目利き術もある。 魚体の模様が鮮明な青魚は脂の乗りが悪いとか、後味が伸びる醤油は菌数が高いとか、等級の低い昆布ほど旨味が強いとか。 とにかく目利きは、するもされるも瞬間勝負。食いっぱぐれのないように、路頭に迷わないように、ひとりぼっちにならないように…。 こんなことを考えながら、薬指を引っぱる今日この頃なのである。
\\\\
|
column menu
|